相次ぐ不正アクセス ― サイバー攻撃は「大企業だけの問題」ではありません
2026/10/07最近、「不正アクセス」「情報漏えい」「ランサムウェア」といったニュースを目にする機会が増えたと感じませんか?
実際に、2026年9月末から10月にかけても、物流、外食、金融など、さまざまな業種の企業・組織から不正アクセスやサイバー攻撃による被害が相次いで公表されています。
以前、当ブログでも「サイバーリスク」について取り上げましたが、最近の状況を踏まえ、改めて考えてみたいと思います。
サイバー攻撃は大企業だけが狙われる?
「うちは小さな会社だから、サイバー攻撃なんて関係ない」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、決してそうとは言えません。
警察庁が公表しているデータでは、2024年に報告されたランサムウェア被害222件のうち、大企業が61件だったのに対し、中小企業は140件でした。
つまり、会社の規模にかかわらず被害が発生しているのです。
中小企業も取引先や顧客の情報を保有しています。
また、メールやクラウドサービス、インターネットバンキング、販売・受発注システムなど、現在の事業活動にインターネットは欠かせません。
そのため、ひとたびサイバー攻撃を受けると、単なる「パソコンのトラブル」では済まない可能性があります。
「情報漏えい」だけが被害ではありません
サイバー攻撃というと、まず「顧客情報が盗まれる」というイメージを持たれるかもしれません。
もちろん、それも大きなリスクです。
しかし、実際の被害はそれだけではありません。
例えば、
・パソコンやサーバーが使えなくなる
・受発注や請求業務ができなくなる
・顧客や取引先の情報が流出する
・原因調査やデータ復旧に多額の費用がかかる
・取引先への説明や謝罪が必要になる
・業務停止によって売上が減少する
など、事業そのものに大きな影響を及ぼす可能性があります。
怖いのは「ランサムウェア」
特に注意したいのが「ランサムウェア」です。
ランサムウェアとは、パソコンやサーバーなどのデータを暗号化して使用できなくし、元に戻すことなどと引き換えに金銭を要求するサイバー攻撃です。
最近では、それだけではありません。
企業のデータを盗み出したうえで、
「金銭を支払わなければ、この情報を公開する」
と脅す「二重恐喝」と呼ばれる手口も多く確認されています。
つまり、
「データが使えない」+「情報を公開すると脅される」
という二重の被害に遭う可能性があるのです。
まずは「基本的な対策」が重要です
サイバー攻撃というと、高額なセキュリティシステムを導入しなければならないと思われるかもしれません。
もちろん、会社の規模や扱う情報に応じたセキュリティ対策は必要です。
しかし、その前にできる基本的な対策もあります。
例えば、
・OSやソフトウェアを最新の状態にする
・VPN機器などのアップデートを行う
・簡単なパスワードを使わない
・可能なサービスでは多要素認証を利用する
・不審なメールの添付ファイルやURLを開かない
・重要なデータのバックアップを取る
・従業員にサイバー攻撃について周知する
といった対策です。
特にバックアップは、「取っているから大丈夫」ではなく、サイバー攻撃を受けた際にも復旧できる状態になっているかを確認しておくことが重要です。
それでも「100%防ぐ」ことは難しい
どれだけ対策をしていても、サイバー攻撃のリスクを完全にゼロにすることは困難です。
そこで考えておきたいのが、
「もし被害に遭ったら、どうするのか」
という備えです。
サイバー保険では、契約内容によって、
・事故原因の調査費用
・データやシステムの復旧費用
・情報漏えい時の対応費用
・第三者への損害賠償
・サイバー攻撃による休業損失
などが補償の対象となる場合があります。
もちろん、サイバー保険に加入すればセキュリティ対策が不要になるわけではありません。
「事故を起こさないための対策」と「事故が起きた後の備え」この両方を考えておくことが大切です。
サイバーリスクは「ITの問題」ではなく「経営の問題」へ
会社のパソコンが使えなくなる。
顧客情報が流出する。
受発注が止まる。
取引先に迷惑をかけてしまう。
そう考えると、サイバーリスクはもはや情報システム担当者だけの問題ではありません。
事業を継続するために、経営者が考えておくべきリスクの一つではないでしょうか。
「うちの会社は大丈夫」
そう思っている今こそ、一度、自社のセキュリティ対策や、万一の際の補償について確認してみてはいかがでしょうか。
私たちも保険という側面から、企業の皆さまの「もしも」への備えを一緒に考えてまいります。

